
キラキラ
第35章 屋烏之愛
日差しをよけるためのテントも意味をなさないくらい、気温がぐんぐん上昇してゆく。
それと比例するように、みんなのボルテージもあがっていってる。
障害物競争では、相葉が目を引いた。
長い足で、軽々とハードルをジャンプしてゆき、袋に両足つっこんで、ジャンプして進む早さなんて驚異的。
ドリブルさせても、スプーンにピンポン玉のせて走らせても、ぶっちぎりの一位だった。
「すっげ!あの二年の金髪!」
同級生らが、口々に褒め称えるのが、俺はなんだか嬉しくて。
すげーだろ?俺が大好きなグループの先輩なんだぞ?
膝においた手をぎゅっと握って、にやける顔を押さえようと努力した。
続く、学年別のクラス対抗リレーには、二年の部で上田がでてた。もちろんスーパー早い。
この人ら、運動できる集団だったんだ……やっぱりただのヤンキーじゃないなぁと、思ってたら、三年の部では、櫻井がでてた。
……あれ。
なんか、ちょっぴり遅い……?(笑)
スーパー早い上田らと比べると、若干のどんくささがある。
これこれ……このギャップなんだよなぁ
この人……
松本たちの前では、めちゃめちゃ冷たい顔するくせに、バトンを渡したあとの櫻井は、すごいいい顔をしてる。
そのあと、アンカーが巻き返し、櫻井たちのクラスが一位をとっていた。
遠目で、ほっとしたように笑ってる櫻井は、なんたか可愛らしくみえた。
