
キラキラ
第37章 寵愛一身
必死で体を離して、うつむく。
俺らは、こんなとこで何やってんだ……
放送のせいで、一瞬でここがどこだか思い知らされた。
今の一連の流れを思い出すと、恥ずかしくて、恥ずかしくて、松本の顔が見れない。
松本の胸をもう一度軽く押した。
松本も、察したのか、ゆるりと腕を緩めてくれた。
「ごめん……つい」
夢から覚めたような彼の掠れた声すら、下腹部に響きそうで、俺は必死で首を振る。
「いえ……」
失礼かな、と思いながらも、自分の肩で、唾液でてらてらの唇を拭う。
甘くしびれてるそこは、たぶん真っ赤だ。
……きっと、顔も真っ赤だ。
「せっかく我慢してたのに……准一に奪われたなんて思ったらとめられなくなった」
「いえ……」
ばつが悪そうに語る松本の言葉を聞き流そうとして、ふとひとつのワードがひっかかった。
「…………我慢……って?」
