
キラキラ
第37章 寵愛一身
とりあえずお腹が膨れたから、気分も落ち着いた。
俺は、准一と話すことも別にないし、ひたすら黙って外を眺めていた。
准一も黙ってスマホをいじってる。
……俺は、ここでなにやってんだろうな……
道行く人をぼんやり見ていると、学校にも行かずにこんなとこに座ってる自分が信じられない。
俺が学校に行ってないことに、松本が気づくとしたら昼休みだろう。
今日の予定を俺が楽しみにしてたのを、彼は知っているから、俺が黙って欠席するのは変だ、ときっと思ってくれる。
連絡をとろうと躍起になってくれるだろう。
なんなら探し当ててくれるかも。
でも、もし俺が准一といたの知り、松本が怒って准一に喧嘩を挑んだとしても……負ける。
だから、俺は、松本に知られないうちに、なんとか准一にお願いして昼までに学校にもどらないといけないんだ。
……さて、どうするか。
そんなことをじっと考えていたら、
「二宮はさぁ、いつから松本とつきあってんの」
准一が、頬杖をついて、切り込んできた。
