
キラキラ
第37章 寵愛一身
「……言う必要ないでしょ」
「……そんな、プンプンすんなよ」
准一が苦笑して、腕組みをした。
…………
その組まれたムキムキの腕に、若干引く。
そして、あまり反抗的な態度をとったら、昼までに帰れないかも、と、思い直した。
俺は、しぶしぶ答えた。
「……ついこないだからです」
「こないだって?一ヶ月前とか?」
「まぁ……そんなもんです」
「ふーん……」
准一は組んだ手をそのままに、自分の顎を撫でて考える素振りをした。
「じゃあ……もうシたか?」
「……なにをですか」
「えっち」
「はっ!?……す……っするわけないでしょ!」
思わず大きな声がでたから、あわてて自分の腕で口を覆った。
信じがたいワードに、心臓がありえないくらいばくばくしてる。
何を言い出すんだ、この人は!
「へぇ……松本って外見あんななのに、意外と奥手なんだな」
「…………」
「キスは?」
「……言わないです」
「……まぁそんくらいは、してるか……」
ふーん、とニヤニヤしてる准一に、なんだか腹が立つ。
