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キラキラ

第38章 バースト11



誰でも惚れてるやつの前では、いいカッコしたいと思う。
見栄もはるだろう。

でも。


「……見栄のはりかたを間違えちゃいけない。俺は運動は苦手だ。事実だ」


俺がそういうと、潤ははにかんで、


「……そんな翔だから俺は好きになったんだよね」


と、小さく言った。


…………


可愛いことを言う。
最近は、俺の前ではほんとに素直になった。
恥ずかしがりなのはかわらないところも、またいい。


「そんなこと言ったらこの場で襲うぞ」

「こわ。マジで押し倒されそう」


くすくす笑いあってた瞬間だった。


!!


俺は咄嗟にチカラを解放すると同時に潤を引き寄せた。


「……っな」


いきなり抱き寄せられた潤は、焦った顔で反射的に俺から逃げようとする。
だが、ちっとも甘くない俺の雰囲気に、

「……ど……したの?」


と、聞く。

俺は、潤を俺の後ろにやり、目の前数十センチのところにおちてるダーツをみつめ、素早く周りを見渡した。

俺が気づくのが遅かったら、まともに潤に当たってた。


レジャー用のダーツとはいえ……


まともに当たれば、それなりに痛いだろう。
目にでも入ってれば洒落にならない。


「ここにいろ」


戸惑う潤に言い置いて、俺は走り出した。

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