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キラキラ

第38章 バースト11


「その台詞そっくりそのまま返すわ」


俺が呟くと、潤は、うん……ありがと、と言って俺の指に自分の指を絡めた。


「……おまえ、最近誰かに絡まれたか?」

「……ううん」

「コクられた」

「されてない」

「……ストーカーは」

「心当たりなんかないけど」


だよなぁ……。

こうなってくると、潤を一人にはさせたくなくなってくる。
明日は月曜日で学校だが、なんなら今日はうちに泊まればいいのに、とすら思う。

そんな俺の心配する様子が、ばっちりと顔にでていたのか、潤は肩をすくめた。


「……大丈夫。気をつけるよ。なるべく一人にはならないようにする」

「……絶対だぞ。ピンチになったら跳べよ」

「わかってる。翔こそ気をつけてよ?」

「……おう」


能力者だからといって、油断は禁物だが、少なくとも潤の能力がテレポートでよかった、と思う。
智兄みたいな千里眼の能力などは、身の危険を回避するには、少々心もとない。
なにせ、視ることしかできないから。だ。

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