
キラキラ
第38章 バースト11
「せっかくだし……なんか歌おうかな。翔、歌ってくんないし」
「おう。俺の歌は高くつくからな」
「まじ?」
潤がイタズラっぽい顔で、俺を責めながら、リモコンをいじる。
やがて機械から流れ出したのは、街中でよくきく男性グループの曲だった。
これなら聞いたことある……と、思っていたら、マイクを手にした潤が、ゆったりと歌い出す。
…………
心地いい……潤らしい柔らかな甘い声に、俺は聞き惚れた。
同じ景色をみていこう、一緒に歩いていこう、と……メロディーにのるその歌詞は、潤の素直な心そのものを表しているようで、柄にもなく感動してしまう。
最後のフレーズを歌い終えた潤は、マイクをおきながら、にっと笑って俺をみた。
「……ふふ……俺が好きで好きでたまんないって顔してるよ?」
「……」
図星をさされた俺は、思わず、潤を引き寄せて、熱い口づけをお見舞いしてやった。
完璧に不意をつかれた潤は、俺にされるがまま。
ここ、監視カメラあるんだけど!と、真っ赤になった潤のグーパンが飛んでくるまで、俺は離さなかった。
