
キラキラ
第38章 バースト11
*******
翌朝の都心は、うっすらと雪化粧していて、カーテンをあけた俺の気分をさげるにはじゅうぶんだった。
雪は、夜中から少しずつちらついていたようだが、量事態はそれほどでもなく、積もってるのかどうなのかはっきりしろってくらいのレベル。
……それでも足元は最悪だ。
お気に入りのスニーカーは履くのはやめておこう、と心に決め、コーヒーをたててると、智兄が、よろよろと起きてきた。
「おはよ。智兄」
「おう……」
この人は朝はいつもゾンビのよう。
目、あいてんのかな、と、くすっと笑ってると、窓の外に目を向けた智兄は、
「うわぁ……まじか」
と、嫌そうな声をあげた。
「……電車は動いてるのか?」
テレビのリモコンを手に、まいったなー……と、腹をポリポリかいてる智兄に、俺は、うん、と頷く。
「交通機関は問題ないよ。道路も路肩だけっぽい」
「……そんならいいけど……めんどくせーなぁ」
智兄は、仕事始め。
俺は、大学。
二人とも、『雪が降りました。じゃあ、お休みします』という、立場でもない。
