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キラキラ

第38章 バースト11


昨日、潤と一緒にいたときに感じた視線は、大学までの行き帰りでは、一切感じられなかった。

ならば潤は?と、気になり、先ほどメッセージでやりとりしたが、今日は一日中家にいたらしき彼からは、何もなかったよ、と、安心させる返事があった。


あれは、いったいなんだったのだろうな……


心配させてはいけないと、かずにも智兄にもこの話はしていない。

だが、明らかな悪意のいたずらではあったのだから、少なくとも智兄には言っておくべきだったか。


いつもの帰宅時間をすぎても帰ってこない智兄を案じ、少しばかり後悔する。
帰ってきたら、相談しよう、と、心に決めた。




……いよいよ電車がとまったんだろうか

スマホで鉄道の運行状況を確認しながら、窓の外を見た。

とっくに夜の帳はおりていて。
サーッと音をたてるかのように、白い雪が断続的に降り積もっていっている。
車も少しずつ減ってきているようで、まさしく外の世界は沈黙に陥りつつあった。

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