
キラキラ
第38章 バースト11
沈黙がおりた。
「……」
次の瞬間、かずの体からふわりと優しいチカラが解き放たれたのを感じ、振り返った。
かずは、少し伏し目がちに、意識を遠くに向けてる。
テレパスで、智兄にコンタクトをとろうとしてくれてるのがわかった。
俺は、少しホッとする。
何故なら、この方法ならば、ほぼ100%智兄と連絡がとれるからだ。
頭に直接話しかけてきたものを、無視するわけはないから。
……ったく、どこにいるんだか。
勉強中のかずに、こんなことを頼むのは気が引けていたから、かずが、自らチカラを行使してくれたことに感謝しながら、俺は静かに経過を見守った。
……だが。
「…………あれ……?」
かずが眉をひそめて、目をあけた。
「どうした」
「……応答が……ないよ」
「…………まったく、か……?」
「うん。だいぶ範囲広げてみたんだけど……」
かずが首をひねり、ソファに座った。
「もう一度トライしてみる……」
「無理すんなよ」
「大丈夫」
チカラの使いすぎは、精神力を削られるから勉強への影響もある。
俺は、かずの体に触れ、自分のチカラを流し入れて助けながら、かずの答えを待った。
