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キラキラ

第38章 バースト11


そのあとも何度か呼びかけてくれたけれど、やはり智兄は、応答しないという。

普段ならありえない事態に、俺は心配でたまらなくなってきた。
智兄が、かずの呼び掛けを無視するわけはない。
ということは、それは、聞こえない状態にあるというわけだ。
いいかえれば……意識がないということ。

そのうちにかずの額にうっすらと汗が出始めたのに気がついた俺は、「もういい」と、やめさせた。

かずは、


「でも……」


と、戸惑うように俺を見上げたけど、俺はかずの頭をぽんぽんとたたいて、安心させるように笑いかけてやる。


「……酔っぱらって寝てるのかもしれないぜ」

「……智さんが?」

「……わかんねーけど。でももういい大人だし、ここまで俺らが心配することもないだろ」

「…………」


かずは、何かいいたげに黙ったけど、俺はかずの背中をそっと擦った。


「大丈夫だ。……それより、ごめんな。疲れたか」

「ううん。平気……だけど」

「そっか。もう部屋に戻っていいぞ」

「……うん」

「ありがとな」

「うん」


かずは、こくんと頷いて、俺が手渡したお茶をこくこく飲んだ。

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