テキストサイズ

キラキラ

第38章 バースト11


翌朝。

さすがに会社はどうするのか、とか。
直接、今いる場所から行くのか、とか。
山ほど聞きたいことがあるために、俺は再び智兄の携帯を鳴らした。

まだ六時前だったけど、出勤するならばさすがにもう起きてるだろうと思ったし。
連絡を待ってもいいけど、早く智兄の声が聞きたかったのもある。


…………あれ……



……ところが、相変わらず聞こえてくるのは、機械の音声。


…………なんで?


いまだに電源が切られているらしいスマホを、戸惑いながら切った。


……バッテリー……切れか?


ふと思い至ったひらめきに、そうか、と、一人大きくうなずいた。

なるほど、それなら少なくとも電話にもメッセージにも反応を残せない理由はつく。

無理矢理こじつけた理由をたてにして、俺は、電話帳をスクロールし、松岡さんの名前を探しあて、コールした。
もはや、智兄は、松岡さんのとこにいる事で決定だろう、と思った。


抱き潰されたんじゃねぇの……?
で、起きれないんだ、きっと。


ところが。


『……智なんかきてねーぞ』

「え……」


気持ちよく寝ていたところを起こされたらしく、若干機嫌の悪い声で、松岡さんがぶっきらぼうに言い放った。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ