
キラキラ
第38章 バースト11
確信にも似た思いを持っていただけに、いきなり突き落とされた気分になる。
「……なんだよ……智がどうかしたのか」
黙ってしまった俺に何かを感じたのか、松岡さんの寝ぼけた声に張りがもどる。
それでも、俺は何を言ったらよいのかわからなくて、黙ってると、
「……翔?」
松岡さんが俺の名を呼んだ。
「おい、翔」
「…………」
「もしもし……?電波悪いのか?翔?」
「あ……ごめんなさい、聞こえなかった」
そこで、我にかえる。
「智になにかあったのか」
松岡さんの声音に、気遣う色がまざりはじめて、俺はあわてて首をふった。
「ううん、なんでもないです。智兄、雪で帰れなかったみたいで。松岡さんち行ってるのかなって思って」
「そうか……ただなんだからどうせならこっち来ればいいのにな。どっかのビジネスホテルにでも泊まってんのか」
「はい……おそらく」
「そうか。電車が止まると思わなかったからなぁ」
「ですね」
松岡さんとしゃべりながら、俺は言い知れぬ不安を感じていた。
