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キラキラ

第38章 バースト11

だけど……

そうだよな。



『雪で電車が止まった。20代の成人男性が帰らなかった。
それならば、ビジネスホテルにでも泊まってるのだろう』


これが、一般的な考えなんだ。
きっと俺が心配しすぎなんだ。
過保護すぎるんだろう。

全ては俺の取り越し苦労だという可能性は……大だ。

スツールに座り、落ち着くためにいれた濃いコーヒーをすする。


昨夜も、かずは遅くまで勉強していたようで、まだ寝ている。

俺は、リビングで、一人時計を見上げ、念のためもう一度智兄の携帯を鳴らして通じないことを確認し、そして今日の夕方まではコンタクトをとらないことを決めた。

なにか……不測の事態でもおきたのだろう。

でも、さすがに会社には行っているはずだ。
会社にまで電話はいくらなんでもできない。

俺は、スマホをテーブルにおき、自分とかずの朝食を作りにとりかかった。



九時をまわったころ。

家の電話が鳴った。

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