
キラキラ
第38章 バースト11
一瞬なんといってよいかわからなかった。
そして、
「でも……きっと昨日深酒して、うっかり寝坊したなんてことも考えられる……しな」
全然そんなこと思ってないのに、場を繋ぐために口走った俺の台詞は、かずの不審げな目によって遮られた。
「……智さんがほんとにそんなことすると思う?」
「…………」
「とにかく。今日一日呼び掛け続けてみるよ」
「……サンキュ」
「翔さんは、ひたすら智さんの携帯を鳴らし続けてみて。なんかのはずみで繋がるかも……っと」
立ち上がったかずが、かくんと足の力を失ったのを慌てて支える。
「……おい」
「……ごめん」
俺の腕につかまって、もう一度ソファに座り直したかずは、ふう、と息をついて、クッションに頭をのせ体を倒した。
「少しだけ……休んだら大丈夫」
「……ほんとか」
「ほんとだよ」
俺は、微笑むかずのからだにブランケットをかけてやり、頭をそっと撫でた。
チカラを使うと、本人の体力も精神力も比例して削られる。
もともとあまり体の強くないかずのキャパは、きっとそれほど大きくない。
勉強に影響のでるようなことをさせちゃ……ダメだよな。
