
キラキラ
第38章 バースト11
「……それで、今でも智さんと連絡がとれないの?」
不安げな顔をする潤に、ああ……と、頷く。
だが、昨日の夕方からの出来事を潤に説明していくうちに、自分でも頭の整理がついてきた気がする。
冷静に対処しよう。
心に決める。
智兄もいい大人だ。
なにかあれば、なんとかするくらいの金も、判断力もあるはずだ。
一日連絡がとれないだけで、俺は慌てすぎなのかもしれない……。
完全なただのブラコンだったって顛末も、あり得る話だ。
「……ほら、あの智兄だろう。ぼやっとしてどっかで事故ってるかもしれないから、せめて居場所だけでもはっきりさせたくて」
もっともなことを言ったら、潤は大真面目に頷いた。
「そうだね。連絡くらいよこしてもらわないと、こっちも心配になるもんね」
「ああ。だから頼む。跳んだ先で何かあったら、俺がおまえを守るから」
「…………そんな男前な台詞、真っ昼間から刺激的だよ」
潤が赤くなって、眼鏡をはずした。
「跳んだ先が外だったら困るから、ベランダから跳ぼうか。翔、サンダル貸して」
「待て、上着もかしてやるから、待ってろ」
俺は、バタバタと自室に戻った。
