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キラキラ

第38章 バースト11


潤に俺の大きめのダウンを着させ、俺もニットカーディガンをはおる。

カラカラと扉をあけてベランダにでると、その寒さに震え上がった。


「……やばいくらい寒いな」

「ね」


見える範囲の立ち並ぶ家の屋根はもちろん、木々や電信柱の先まで白い雪をかぶっている。
青空はみえているが、空気はピシッと凍てついていて、家の中とのあまりの温度差に驚いた。

俺は、潤の手をとる。

潤も頷いて俺の手を握り返し、ふっとスイッチをいれ、真剣な表情になった。

静かに目を閉じ、集中する潤。

コンコンとあふれてくる彼のチカラは、やがて俺たち二人を包み込む。
俺もサポートしながら、静かに見守る。


「……っ………」


チカラがふくれあがって、もう少ししたら爆発するという瞬間、潤が、息をとめたのを感じ、同時に、ががっと、空間が歪んだ感覚がした。



「…………」

「…………」


次の瞬間、俺たちが立っていたのは。


「なんだ……ここ」


山のなかにある白い病院のような建物の前だった。

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