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キラキラ

第38章 バースト11


うっすらと積もってる雪は、踏まれてる跡もなく、直近で誰が出入りしてる形跡はない。

辺りを見回しても、民家をみつけることはできず、この建物のみがぽつんと建っている。

二階建てで、まだそれほど古くもなさそうなそれは、しんと静まりかえっていて人がいるような感じはない。
ひとつ不気味なのは、まわりを鉄条網のついた塀で囲っていることだ。
侵入者をブロックするにしても、いまどきこんな……


「ここにいるのか」


俺が呟くと、潤は自信なさそうに、首を傾げた。


「うん……智さんを浮かべたらここだった。……でもどこだろ?ここ」

「……東京ではなさそうだな」


二人で周りを見渡すが、車の音ひとつしない。
この山をおりたら、分かるのだろうが。

俺は、サクサクと歩みを進め、頑丈な門についたインターホンを鳴らした。
みたところ、カメラつきの新しい代物だ。
古びたものではないところをみると、人が最近関わってることに間違いはなさそうだ。



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