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キラキラ

第38章 バースト11


潤と出かけた日の朝だ。

マンションの前……普段あまり気にもしないが、なぜだか目についた停車していた車と同じ形だ。

息を飲みながら、その車をみつめてると、助手席から誰かがおりてきた。


「えっ……」


今度こそ声が出てしまい、あわてて口を覆う。
同時に潤がびっくりしたように俺を見た。

しんとしたこの山中で、俺の声は思ったより響きわたった。


その人物の訝しげな視線が上を向く。


枝葉があるとはいえ、完全に浮いてる俺たちの姿を隠せてるわけじゃない。

少し角度をかえて、探されたらアウトだ。


やば……っ


瞬間、潤が、無言で俺の腕をつかんだ。

同時に凄まじいチカラが俺らを包み込み、パンっと目の前で風船が爆発したような衝撃をくらい。

…気がついたら、マンションのバルコニーに立っていた。


「……あぶな……」


潤が、はぁ……、とため息をついて呟いた。


「すまん……」


あんな風に浮いてるとこなんて一般人に見られたら、言い訳もつかない。

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