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キラキラ

第38章 バースト11


それに……


俺は増田の顔を思い出す。


何よりも、もし智兄について彼が何かを知っていたとしたら……もちろん、あの場に智兄が関係してることが大前提だが……警察に相談する前に、それらをはっきりさせたいと思った。

俺はため息をついて、首を振る。


「……とにかく、もう一度今日、潤に頼んで……昨日の建物を確認してくる」

「……うん、分かった。俺も、たくさん呼び掛けてみる」

「無理すんなよ」

「大丈夫だよ」


だが、今日から、かずの高校を含め、大体の高校は始業式。
しかも、潤は、初日から授業もあるらしいから、動けるのは夕方からになりそうだ。

「学校なんてサボるよ?」と言うのを却下して、終わったらこっちに跳んできてくれ、とお願いしてある。

……それまでの時間、どうするか。

増田に連絡をとるか。
でも何て言う?


ぐるぐる考えながら、かずと自分の朝食を作る。
すると、カウンターに座って目を閉じていたかずが、突然、


「……智さん??!」


と、声をあげた。


ハッと顔をあげると、かずがこめかみに手をあてうつむいてる。

テレパスか?!



「かず?!智兄か!?」

「……わ、わかんない!でも……今、かずって誰かが呼んだ!」


かずは、首を激しく振り、うずくまるようにして集中を始めた。


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