
キラキラ
第38章 バースト11
大股でかずの隣に歩み寄った。
小さな背中を丸め、かずが目を閉じて集中してる。
…………!
その体からは、熱風がでているかのように、次々チカラが噴出していた。
実際、凄まじい圧を感じる。
それらは、どんな小さな吐息も聞き逃さないようにするかのごとく、かすが全神経を研ぎ澄ませてる証拠だった。
……かず……
俺は、いろいろ質問したいのを我慢して、そっとかずの横のスツールを引き、座った。
静かにその背中に手を置く。
かずが、エネルギー切れにならないように、俺は自分のチカラを流し込んでサポートしてゆく。
「智さん?……きこえる……?……うん……俺」
かずが、小さく呟いた。
頭のなかで会話は成立するはずなのに、声をだしてくれるということは、俺にも、やりとりの一部が聞こえるようにしてくれてるんだと思った。
……ようやく、智兄とコンタクトがとれた。
俺は安堵しながら、黙って見守る。
「どうしたの……どこにいるの?……うん……え……?」
かずが険しい顔になる。
「智さん……智さん!」
かずが叫ぶように智兄の名を呼んだ、と同時に、彼の背中に置いた手のひらに、どんと衝撃がきた。
「聞こえる?!」
かずが、限界までチカラを放出してる。
「かずっ」
おそらく智兄との会話を続けようとしてるのだろうけど……!
危険だ!
かずのキャパを越えすぎてる……!
「かず!」
俺はかずに覆い被さり、我に返るように揺さぶった。
