
キラキラ
第38章 バースト11
あわててかずを抱きかかえ、顔をのぞきこむ。
「かず……?」
頬にいくつも涙のあとをつけたまま、かずは気を失っているようだった。
……きっとしばらく目が覚めない。
さっきの様子だと、チカラの暴走寸前まで……バースト状態になっていたはずだ。
回復までは時間がかかるだろう。
もうすぐ入試だというのに……受験生には一分でも一秒でも惜しい時期なのに、無理をさせてしまったことを悔やむ。
部屋に運び、ベッドに横たわらせたかずの頬に触れた。
学校は…休ませねばなるまい。
ごめんな……かず。
俺は、心で詫びながら、扉を閉めた。
それにしても智兄だ。
事故で入院とか、そういうのではなかったことはよいのだが……仮にひどい目にあっているとするならば、事故の方がましだったかもしれない。
薬で強制的に眠らされているから、テレパスにも応答できなかったのだろう。
ぬるくなったコーヒーを飲んだ。
とりあえずあの場所に……行きたい。
