
キラキラ
第38章 バースト11
潤の能力は最近はとても安定してる。
気を抜いたときに突発的に跳んだりするのは別だが、集中したうえで、のチカラなら正確性も高いはずだ。
だから、昨日のあの場所は、俺には、智兄と何らかの関係があるとしか考えられないと思えてきてた。
あんな何かの研修施設のような広い建物。
……智兄が眠らされてるような部屋くらい確保できそうだ。
現に室外機は動いていた。
……ためらわずに踏み込んでみれば良かった。
自分に舌打ちしたい思いで、俺は、スマホに手を伸ばす。
増田に電話をしてみよう、と思った。
あの場所に何をしにいったのか。
……いや、しかしなんていう?
昨日、どこにいた?
……いや、おかしいな。
山のなかにある建物を知ってるか?
……いや、ますます変だな。
画面を凝視しながら、逡巡していると、ブーと本体が震えだした。
画面に浮き上がった発信者は。
……増田。
