
キラキラ
第38章 バースト11
増田がここに来る……
一瞬、迷ったけど、それしか方法はないように思えた。
かずを一人にはしたくなかった。
俺は、住所を伝え、マンション近くまできたら電話するように言った。
増田は、いつもと何らかわりない口調で、わかった、と通話を切った。
……コーヒーくらいはだしてやろう、とキッチンに戻り、カップの準備を始めた俺は、考える。
込み入ってる話とはなんだろう。
顔を見て話したい話って?
俺の反応を見たいということか?
増田の別の顔を見てしまうかもしれない不安な気持ちと、何かが分かるかもしれない期待感。
いろんな感情が、まぜこぜの状態で、俺は増田の到着を待った。
小一時間の後。
「お邪魔しまーす」
いつもの様子の増田が、我が家にやってきた。
「めちゃめちゃ広いじゃん……翔の家」
無邪気に感想をいう増田は、少し緊張してるようにも……見えた。
