
キラキラ
第38章 バースト11
夕方、潤がやってきた。
「なに……?どしたの……?」
意識のないかずに対し、眉をひそめる潤に、朝からの出来事を話して聞かせる。
「じゃあ……やっぱりあの場所に智さんいたんだ」
「北川の話を信じるならな」
呆然とする潤は、悔しそうに唇をかむ。
俺は、ジャンパーを着込みながら、ため息をついた。
潤の瞬間移動の能力の高さが、証明されたのはよかった。
さらに、先日マンション前にとまっていた黒い車は、北川のものだった、と判明したのは、一つ謎が解けた。
だが、事態は何もかわらない。
むしろ、あいつらがいまだに俺らを監視していた、ということに引くし、今後の対応も増田の姉貴だと分かった以上、冷徹に徹しきれるか、ちょっと考えてしまう。
そして、智兄の場所が分かったのは喜ばしいことだけど、無事かどうかも謎なら、連れ去ったやつらの素性も謎だ。
そこに向かう俺と潤の安全も保証されてるわけではない。
……潤だけは守らないと。
俺は、心に誓う。
