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キラキラ

第38章 バースト11

力強い言葉に、思わずまじまじと潤を見つめてしまった。


「ね?」

「………」


よくよく考えてみれば、こいつもやんちゃな面をもつ男。
オレの前だから可愛らしいけど、学校では相当、とがってるっていう話だ。

超能力の研究者に……喧嘩自慢のやつはいないだろうと考える。

まぁ……俺もついてるし、万が一のときは、智兄含めて跳べばいいか。

俺は、そう思い直し、


「……なら。俺のそばから離れるなよ」


と、念押しした。
潤は、真剣な顔でこくりとうなずいた。



昨日は、積もりっぱなしだった雪も、今日は門扉のまわりが雪かきしてある。
車のタイヤ痕があるところをみると、人の行き来があったことに間違いはなさそうだ。

いまだ雪が薄くつもってる土の上を、サクサクと歩みはじめる。
しんとした空間に、その音が思いの外響いて、ドキドキした。

俺は、施錠してあるらしき門の鍵を、チカラでもって静かに開けた。

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