
キラキラ
第38章 バースト11
続けて、その先の扉の玄関の鍵も開ける。
俺は、潤に、行くぞ、と目配せし、二人で建物の中に入った。
すると、薄暗いそこは古い旅館のように、スリッパがいくつか並んでるのが目にとびこんできた。
土足禁止か。
見渡すと、革靴や、スニーカーが無造作に脱ぎ捨てられているのを見つける。
いち……に……六足。
六人か?
この建物に人がいることは確かのようだ。
潤と目をあわせる。
俺は、おもむろに、床から数センチの位置に、自分と潤の体を浮かべた。
チカラのコントロールという別の集中も強いられるが、致し方ない。
変に足跡を残したくない。
結果、足音も消せるから、いいだろう。
この建物が智兄をさらったやつらの持ち物なら、土足でも遠慮はしないが、そうでなかったら、ただの侵入者に成り下がってしまう。
その場合、通報でもされて、警察が介入したら、ややこしいことになるからだ。
俺は、ぐっと奥歯を噛みしめ、階段をさがした。
昨日みた様子から、二階には誰もいないと思う。
きっと……地下。
