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キラキラ

第38章 バースト11


異様な空気だった。

俺らが入っても、中にいるやつらは、驚きもせず、ちらりと視線を送っただけで、また自分の作業にもどってゆく。

ピッ……ピッ……という機械音が不気味だ。
智兄の心臓なのか脳波なのか。
からだにたくさんつけられた線から拾われているっぽい音だから、気持ち悪い。

そのうえ、俺にはよくわからない変なグラフやら数字やらがモニターに映し出されていて、白衣をきたデカイ男が、太い指で、なにやらカチャカチャ打ちこんでる。


いったい智兄になにしてくれてんだ。

……おまえらに何がわかるっていうんだ。


改めて怒りに体が震える。
俺は、潤をソファーにおろした男に詰め寄った。


「……なにがしたいの、あんたら」

「我々は超能力を研究してる団体です。今回大野智さんにご協力いただいて……」

俺は、イラッとして、その言葉尻をひったくった。


「協力?……はっ、拉致の間違いだろ」

「いいえ。大野さんは自ら協力してくださいました」

「んなわけねーだろ!!」


そいつの胸ぐらをつかみあげた。

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