
キラキラ
第39章 バースト12
近づきたくなんかなかったけど、翔たちの会計の時に、手が空いてんのが俺しかいなくって。
しぶしぶ応対した。
嫌で嫌で、女の顔なんかみてないけど、翔くんってファーストネームで呼んでたのだけ分かって。胸くそ悪かった。
大丈夫だって頭では分かってるんだ。
だって、翔に愛されてるもん俺。
何度も好きだって言われてるし。
何度もお前だけって言われてるし。
翔が浮気したなんて思ってない。
けど…………
俺は深いため息をついて、テーブル席のお客さんのオーダーをとりにいく。
アルバイトが終わるまで、あと2時間。
ロッカーの自分の荷物のスマホが光ってる。
手にとると、ポップアップに翔の文字が見えた。
連絡するって文字も。
俺は、返信しようかどうしようか迷って、とりあえずそのままにした。
そうして大野家のマンションには向かわずに……直帰した。
どうしたらいいのか、どうしたいのか自分でも分からなかった。
