
キラキラ
第39章 バースト12
俺と連絡がとれない以上、迂闊に空を飛んで自宅に押しかけるわけにもいかないと思った翔は、どうやらかずのテレパスに頼ったみたいだ。
そりゃ連絡手段にしたら確実だよね。
俺はため息をつきたいのをこらえて、応答する。
………ああ、うん。わかった。もう少ししたら行くよ
《潤くん…》
ん?
《どうしたの?……なんかあったの?》
心配そうな声に苦笑する。
かずを巻き込んでちゃ、ダメだよ、俺たち。
俺は、首を振って自分の頬を両手でうった。
しっかりしなきゃ。
……ごめん。なんでもないよ
《ほんと?》
うん。ちょっと俺が拗ねてただけ。
《……そう(笑)なんか翔さんも微妙に暗いんだもん。心配しちゃうじゃん》
かずの声があきらかにホッと緩んだのがわかる。
……………ふふ、ごめんね。
《ううん。じゃあ、あとでね》
うん。あとで
かずの声が途切れて。
俺は髪をかきあげた。
(……こんなん、ずるくない?)
かずに言われたら断れないじゃんか…、と、俺は、しぶしぶベッドから降りた。
こうなったら、ごねにごねてやる。
