
キラキラ
第39章 バースト12
は………?
唖然として佇む。
ここまでしてくるとは思わなかった。
連絡のないことを、良かったな、と、のんきに思っていた自分が恨めしい。
「翔、今日から入った松本カホ先生。いろいろ教えてあげてくれ」
同じ塾講師のダチが、鼻をふくらまして俺の肩をたたいてささやいた。
「美人だろ?」
「……………」
んなこたどうでもいい。
なんでここにいるんだ、とか、どうしてこんなことするんだとか。
いろいろ言ってやりたいことが渋滞する。
なによりも。
「松本先生…?」
「はい。今日からよろしくお願いします」
しれっと笑顔で礼をするこいつが怖い。
てか、潤と同じ名字だったなんて。
興味なかったから、聞きもしなかった。
………ますます引く。
「どういうつもりですか」
「翔くんのそばにいたいと思って」
「意味がわかりかねます」
「だって好きなんですもん」
「だから、俺には付き合ってる人が…」
「じゃあ、あわせて」
「だからっ……」
「ほら。嘘でしょ。分かってるの」
面倒くさい。
非常に面倒くさい。
俺は心がどんどん冷えてくのを感じた。
