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キラキラ

第39章 バースト12




「………いま…なんつった?」



聞き間違いか……?


唖然としてる俺の表情に、にこりと笑った彼女をみて、直感的にこいつは俺と潤のことを知っている、と、確信した。


………え、意味分かんねぇ


無邪気だと思っていた彼女が、だんだん気味悪くなってきた。


なんなんだ?お前………


すると、カホは、しれっと言う。


「お見合いするんだから、相手のことは調べるに決まっているでしょう。智さんのことも最初から知ってました」

「…………なんで」

「………私は、あなたがたの性的指向は気にしません」

「…………」

「私、ほんとに一目惚れしたんです。翔くんに」

「………俺は無理だ」


そこまで知ってて、なんでつきまとうのか、俺には理解不能だった。

カホは、首を傾げる。


「じゃあ、おうかがいしますが、ほんとに男性の方とこの先添い遂げる気ですか。」


踏み込んできた質問に、一気に不快感が増した。

なんで貴様にそんなこと言われないといけないんだ。


「………言う必要ないだろ」

「男同士で未来はないと思います」


平然と言うカホに拒否反応がでてきた。
俺は、怒りをおさえながら、ぶった斬る。


「あんたに言われたくない」



俺は、ちょうど来たタクシーを停めた。
カホは、口を引き結び、立ち上がった。
そして、何故か勝ち誇ったように微笑んだ。



「ありがとうございます。またご連絡しますね」

「……」


足をひきずりながら、カホはタクシーに乗り去ってゆく。


………くそっ


俺は、駅にむかいながら、嫌な予感がするのをとめられなかった。

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