
キラキラ
第39章 バースト12
まるで、愛を囁くというよりも、俺の存在を確かめているみたいな行為。
情熱的といえばそうかもしれないけど……いつもの翔じゃない。
キスをしながら、シャツのボタンを弾かれ始めて、俺は少し焦る。
襲われてるのは、大野家の玄関だ。
場所!場所!
「んんっ…ふ…ぁ…ちょ」
そうしてる間にも、翔の指が裾から中に入ってくる。
素肌を撫でられ、俺はぎゅっと目をつぶって、いやいやというように首をふった。
「ふっ………しょう………っ…まって」
キスから逃れるように顔を背け、抗議の声をあげたら、ようやく唇が離された。
至近距離でみる翔は、しまった、という色と、困惑の色がないまぜになった瞳をしてる。
理性的な彼には、おおよそ不似合いだ。
「はぁ……はぁ……なに…どうしたの…」
「ごめ……」
謝りかけた翔に、俺は、キスが嫌なわけじゃない、というのを伝えたくて、彼の頬をふわりと両手で包んだ。
そして、にこりと笑う。
「…抱くなら…ちゃんとベッドで抱いてよ」
「……………ああ」
翔が、俺を優しく抱きしめた。
