
キラキラ
第39章 バースト12
「…………っ」
ふわっと、一気に視界がぼやけてきて、俺は、思わず目を瞑る。
ヤバい。
久しぶりにきた。
こんな不意打ちの心臓に悪い絡み、マジでやめろってんだ。
キンという音に、ドクドクという俺の心臓の音がくわわる。
まずい。
この場から去ろうにも、もう周りが見えない。
今までのピンチなら、翔が隣にいて、物陰に引きずり込んでくれていた。
だけど、今は完全に1人だ。
これは、自力でなんとかするしかない。
「…………う」
テレポートで消えるよりマシだ、と、俺は両手で自分の体を抱き、地面に膝をついた。
全力で、体内の残りのチカラを内側に向け、燃え上がりかけてる能力を押さえ込みにかかった。
出来るか………?
「……ど、どうしたんですか?」
あの女の焦った声が、ちいさくきこえる。
………ってことは、俺の姿はこの場から消えてない。
俺は、目をギュッと閉じて、久しぶりの暴走を力ずくでねじ伏せにかかった。
