テキストサイズ

キラキラ

第39章 バースト12


深い海の底から、ふわりと浮き上がったような感覚と共に、ゆっくりと目を開けた。


……………あ…れ?



霞む視界。



…………?……俺……?


状況把握ができなくて、ぼんやりしてると、



「…………起きたよ」



ホッとしたような、優しい声がした。
一呼吸あけて、それがかずの声と認識する。


……なんで……かず?


同時に、パタパタスリッパを鳴らしながら、走り寄ってくる誰かの気配がして。


「………潤………!」


大好きな人の声がして、俺の視界いっぱいに、心配してますみたいな表情の翔が現れた。


「……大丈夫か?辛いとこないか?」

「………」

「潤?」

「……………しょ………う」




……………思い出した。




こくりと頷くと、翔は、安心した顔になり、俺の横に、へなへなと座り込んだ。



………俺………跳びかけたんだっけ


起き上がろうとしたけど、体はまんまということをきかない。

チカラを無駄に使いすぎた弊害だった。


「もう少し横になってろ」


翔に諭されて、体の力を抜いた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ