
キラキラ
第39章 バースト12
とりあえずは。
潤の気持ちも俺のこともあまりにも気にしすぎて、いっぱいいっぱいになってるかずを、智兄がのんびり宥めてくれてる間に、俺は智兄の夜食をつくった。
なんとか気持ちを立て直して笑顔をみせたかずが風呂に入るのを見届ける。
さすが、智兄。
俺は、ありがとうと、智兄に温かい蕎麦を出した。
「いや…」
智兄は、苦笑しながらテーブルについて、俺を見上げた。
「こじれてんのか」
「………ちょっとね」
俺は、智兄の前に座って、これまでの経緯を説明した。
智兄が心配すると思って、カホが塾にまで乗り込んできていたことは言ってなかったけど、全部話した。
智兄は、蕎麦をすすりながら、今日のカホと俺との約束まで聞いて、ふーん……、とその綺麗な眉をしかめる。
「1度だけデート……ね」
「俺らに近づかないって約束…守ると思ったんだけど、やっぱ甘かったかな?」
「最もな理由つけて、破る可能性は大だと思うがな」
「………やっぱ、そうか」
「………まぁ、ひとつの抑止力にはなるけど」
「………うん」
「でも、かずが言う通り、潤にはきちんと言っておけよ」
「…………うん」
………智兄もかずと同じ意見なんだな。
なんて言えばいいんだよ………
ますます憂鬱になってきた。
