
キラキラ
第39章 バースト12
………いやいや。俺に泣き落としは聞かねぇぞ
冷めた気持ちで、カホを見つめる。
もう終わりなんて嫌です…、と、グスグスと泣いてる彼女には、通りゆく周りの人達の好奇な視線が集まってゆく。
おおかた痴話喧嘩とでも思われているのだろう。
だが、俺的には、一応彼女の希望通りドライブをして水族館までつき合ってやったのだ。
最後の事件は、予想外だったが、及第点だろうと思ってるから、泣く意味が分からない。
俺は出口に向かい、踵をかえした。
「行きますよ」
「………じゃあ最後に手を繋いでください」
「……意味がわかりません」
「駐車場まで」
「無理です」
「大人しく帰るから」
「…………」
俺は嘆息して、彼女をみすえる。
カホは涙に濡れた目でじっと俺を見つめ返してくる。
……これで終わりか。
早く帰りたかった俺は彼女の手をとった。
カホは、すぐさま嬉しそうに指を絡めてきた。
駐車場までの距離がとてもとても長く感じた。
