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キラキラ

第39章 バースト12


帰る道すがら、どこか店でもあれば、着替えを、とも思ったが、


「翔くんのカーディガンで隠れし、もう乾いたし、このままでいいです」


と、カホは笑う。


まぁ、このまま家まで送り届けるのならば、問題はないだろう。
親にはびっくりされるだろうから、ちゃんと説明してくださいよ、と念押しして、俺は急いで家に帰った。


これで、もうおしまいだ。


お役御免だ、と、やっと清々しい気持ちになりながら、リビングの扉を開ける。


「ただいま」


すると、ゲームをしていたらしき、かずが振り返って、笑顔になった。


「おかえりなさい」


だが、隣に座っていた潤は、ちらりと俺をみて一瞬だけ泣きそうに顔を歪め、小さく、おかえり、と言って、すぐにテレビ画面に顔を戻した。


………………なるほど。


確かに変だ。


かずが、ね?というように俺に視線をよこし、困ったように口をへの字口にした。

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