
キラキラ
第39章 バースト12
潤は一瞬だけ俺を見て、すぐ顔を背けた。
え………
俺は、その大きな瞳が、限界まで潤んでるのをみとめて、息を飲んだ。
瞬きをしたらその水分が、涙となってパタパタ落ちてきそうなほど。
「………おい」
「…………何?離せよ。………帰るから」
「おまえ、泣いて」
「泣いてない」
強い言葉でぴしゃりと遮られ、怯んだ拍子に腕を振り払われた。
あ、と、思った時には、お邪魔しましたという言葉とともに…………潤は跳んでいた。
唖然として、あいつの体温の残る手のひらをぎゅっと握る。
「………どうしたの?」
かずの硬い声に我に返る。
かずは、いつのまにか俺のそばで咎めるような視線を向けている。
「いや……分からない」
何も言えない俺は、情けなく呟いた。
もしや、俺が今日カホと出かけたのを、潤は知っているのだろうか?
いや、そんなはずはない。
俺はあいつに何も言ってない。
知るはずないんだ。
