
キラキラ
第39章 バースト12
Jun
大野家から、自分の薄暗い部屋に跳んだ。
立ったまま、しばらく混乱した頭を必死で整理しようとしたけれど…………そのまま我慢出来ずに膝から崩れ落ちた。
「…………っ」
片腕で口を覆って、蹲る。
泣くまいと思ってるのに、涙が次から次へとあふれてきた。
…………アホ翔………
「ふっ……ううっ…」
2人で会わないって約束、また破ったんだ??
体が熱くて、顔が熱くて…………なのに頭の芯だけが冷えきってる。
あまりにも自分の予測通りだったことに俺は落胆しか感じない。
翔は……おそらくあの女の人とでかけていたのだろう。
間違いは起こしてないと、さすがにそこは信じてるけど、でも、俺に嘘をついて会っていたことが許せない。
昨日、また俺のバイト先までやってきたあの人は、ご丁寧に、明日翔くんとデートするのだと、報告してきた。
さらに、疑うなら、明日の翔の予定を聞いてみれば、とまで言われたのだ。
………それは無理だよ
半信半疑ではあったが、ホントに聞く勇気なんてなくて。
朝からずっと迷って、ようやく昼前に恐る恐る大野家を訪問したら………翔はまんまと留守だった。
………マジか
それでも、かずの話だと大学の人と出かけてるって言ったから、最後まで信じてたけど。
さっき翔の近くに寄ったら、また女性もののあの香水の香りが微かにしたんだ。
