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キラキラ

第39章 バースト12


いつまでたっても俺が黙ったままだから、翔はいよいよ不安になったみたいだ。

大きな手のひらで俺の髪の毛を優しく撫で、背中をポンポンと遠慮がちにたたいては、何やらむにゃむにゃ言ってる。
俺の前では、常にかっこいい翔が、めちゃくちゃ情けなく、小さくなってる。

俺は、ふっと息を吐いた。


これ以上ごねていたって…なんも生み出さない。


「……………」



そっと翔の背中に両腕を這わせた。
翔が分かりやすく体を震わせた。
俺は翔の肩に頬を擦り寄せた。


「…………謝るってことは………自分が悪いことしたんだって思ってるんだね?」

「お……おお」

「約束破った自覚は?」

「なかった……けど、今はある」

「なにそれ」

「だから………俺はおまえを悲しませたくなかったから……」

「……だめだよ…結果、悲しんじゃってるじゃん、俺」

「……………はい」



翔のしゅんとした声に、俺は泣きながら笑った。

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