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キラキラ

第39章 バースト12


やがて、優しい唇がおちてきた。

何回かは、俺の額に押し付けるように。
俺が軽く顔をあげると、それらは目におちてくる。
涙を吸われて、くすぐったくて思わず笑ったら、
翔は俺の頬にキスして……それからゆっくりと唇をあわせてきた。


何度も食むあったかいそれは、愛情に満ちてて、俺は自然に唇を開いてそれを受け入れる。


………そうして、翔は、俺の顔をじっと見た。



「……ほんとに何もないから」


………もう。
言い訳が浮気した男じゃん。


俺は苦笑して頷いた。


「………分かってる。そんなこと」


俺が怒ってたのはそんなんじゃないよ。



「もうマジで2人で会うことはないから」

「どうだか」

「…………潤……」


俺がそう遮ると、翔は困ったように眉をさげた。


ダメだな。わかってない。
こんなに頭のいい人なのに、なんでわかんないの。


俺は、翔にしがみつく手に力をこめた。



「あのさ、勘違いしないで。俺が、悲しかったのは、翔が何も言ってくれなかったことだよ」

「…………」

「2人の間に何かあるかもなんて思ってない」

「…………」


「………強いて言えば、翔のお母さんたちが、俺よりあの人が翔にふさわしいって思ってるだろうことが、怖かった…かな」


「…………潤」

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