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キラキラ

第39章 バースト12


いつまでも心の根っこにあるのは、そこだ。

周りの人々に公にはしてない関係性は、どうしたって不安はある。

だって、翔のご両親に、俺の存在を受け入れてもらえなかったら、俺は大野家から、弾き出されるからだ。

その点で言えばそのまた逆もしかりなのだが、松本家に関しては、俺が絶対に翔を受け入れさせる覚悟をもってるから、あまり心配はしてない。

……これはホームとアウェイの違いなのだろう。


心配するなっていわれたって、こればかりは無理なんだよね。


………翔が俺を好きでいてくれてることに、疑いはないんだけどさ


翔の胸に抱きしめられたまま、じっと黙ってると、突如、俺の後ろ頭のあたりで電話の呼び出し音がした。


え?と振り返ると、空中に浮いてるスマホの画面がテレビ電話に切り替わるところで。


「もしもし」


翔が、電話にむかって話しかけると、


『あら、珍しい』


翔によく似た、目の大きな女性が画面にうつりこんだ。

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