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キラキラ

第24章 バースト5


俺の腕でぐったりとしたかずを、彼の部屋に寝かせに行き、額に熱をとるためのシートを貼った。

かずはかずで、体力がないからすぐ熱をだす。

過去の経験から考えるに、明日はかなりの高熱にうなされるに違いなかった。

「はぁ……」

苦笑いして、かずの色白な顔をみながら、自室に戻った。

明日は、学校は休ませなきゃならんだろうな。

しっかし……どこに何しに遊びに行ったんだ、お前らは……。





三時間ほど経過した。

潤は、なかなか目を覚まさない。
うなされてるわけでもなかったし、呼吸は安定してるけれど。 

手を握っても、頬にふれても、ピクリとも動かない彼に、不安になる。
何らかの反応を求めて、髪を撫でたり、頬にキスもしてみたけど……。
無反応ぶりが、まるで人形を相手にしてるみたいだ。

時間はもうすぐ0時になろうとしていた。

勉強しながら、時々振り返り、潤の様子を確認したりしていたら、玄関の扉がガチャ……と開いた気配がした。

廊下を歩く音に、俺は、慌てて部屋から顔を出した。


「智兄。お帰り」

「……ただいま……」

智兄が、振り返りふわりと微笑んだ。

…………。

松岡さんと会ってたな?

匂いたつ色香と、うちのものではないソープの香りは、シてきました感あふれてる。

智兄のほんのりと桜色をした頬と、少しあいたシャツの襟元から見えるアザをみて、急に生々しく思えて、ちょっと照れてしまうが……。

「ごめん……ちょっといい?」

俺は、智兄に部屋に入ってもらい、潤を見せて事の経緯を説明した。

黙って聞いていた智兄は、少し考えるように眉をよせ、細い指で、潤の頬に触れた。 

「……うん……おかしいな」

「だよね」

「……潤の気が全く感じられなくないか?」

潤の青白い顔は、まるで彫像のようで。
魂がぬけてしまっているのては?と思うほど、だ。
息はしてるが、極端にか細いから、下手したらこのまま静かに停止したって分からないくらい。

「え……ひょっとして病院レベル?」

怖くなって、智兄をみると、智兄は、難しい顔で首をふった。

「医学でどうこうじゃないよ。チカラの問題だ。こいつどんな使い方したんだ?」

「分からない……明日かずに説明させる」

「かずもか」

「ん。でもあいつは、大丈夫だと思う」

「どこに出かけてたんだ?」

「分からないんだ…」

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