
キラキラ
第24章 バースト5
俺は、こくりと息を飲んだ。
……全部思い出したから。
今、脳裏によみがえってもドキドキしちゃうくらいの刺激的な、どえらい現場。
智さんと昌宏さんの情事。
その智さんが、エロくて綺麗だったことも。
昌宏さんに見つかりそうになって、慌てて跳ぼうとして…
そうだ。
だけどチカラが足らなくて……
はっと、俺は、息をとめた。
かず!!
「……翔。かずは?」
跳ぶ瞬間、あいつのチカラをむしりとるように乱暴に奪ったことも思い出した。
最初、かずのチカラを借りるだなんて、そんなつもりはなかったから、完全に事故みたいなものだが、かずがいなかったら跳べてなかったであろうことも、また事実で。
繋いだ手から、ふわっと流れ込んできたかずのチカラを奪い、すべて跳ぶエネルギーにかえた。
あの時点で、自分のすべてを使いきる勢いだったから、かずのチカラの奪いかたは、手加減できなかったかもしれない。
悪いことをしたな……。
あいつ体力ないのに。
絶対寝込んでる。
しょんぼりする俺を見て、
「……ちょっと熱がでてるけど。大丈夫だろ」
翔が、苦笑し、そっと髪を撫でてくれた。
そして、翔は、俺の枕元に両ひじをつき、優しく俺を見つめた。
「……なに?」
なんだか、恥ずかしくて、目をみることがてきなくて、うつむくと、翔は、はぁっとため息をついた。
「……今回ばかりはびびったぞ。お前が回復する兆しがなかなかみえなくて」
「……そうなの?」
「だってお前、もう夕方だぞ。20時間くらい起きなかったんだぞ」
「……」
絶句。
確かにいままでになく無茶な跳びかたをしてしまった自覚はある。
耳元で、何かが破裂したような爆発音も初めて聞いた。
この体の異常な倦怠感はそのせいなのだろう。
つくづく跳んだ先が翔のとこで、良かったな……俺。
「……ごめんね」
呟く。
すると、翔が少し怖い顔をした。
「……ていうか。お前ら、えらく危ない遊びをしてたんだな」
「え」
「かずから聞いた」
「……!」
どこまで?!
「……安心しろ。智兄には言わないから」
てか、言えねぇし……。
と、ぼやく翔を、茫然と見つめた。
ば、ばれてる……。
