
キラキラ
第24章 バースト5
「……そんなに、智兄の恋人を見たかったのか?」
「……」
翔が呆れたようにいうから、何も言えなかった。
そーだよね。
本来なら、智さんの恋人が誰だろうが、俺にとっては全く関係のないことだもの。
偶然とはいえ、むつみあうとこまで、見てしまうなんて、悪趣味以外の何者でもない。
俺が逆の立場なら激怒するだろう。
プライベートを覗き見なんか、一番しちゃいけないことだ。
少なくとも、チカラという特殊能力でやっちゃいけないことだった。
……ごめんなさい。もうしない。
でも……だけど。
……どうしても知りたかったんだ。
「………男同士のお付き合いって……智さんたちみたいな大人の人はどうしてんのかな……って。思って」
俺は、ポツポツと理由を語った。
分かってもらえないだろうけど。
くだらない理由だけど。
俺にとっては真剣。
「……」
「俺……翔にずっと…………その……好きでいてもらう自信がなくて……」
「……」
「……智さんみたいにああいう風に綺麗になれたら…どうかなって……」
「……」
「あの……翔?」
だが、相槌もなく、無言を貫いてる翔が怖くなり、そっと顔をあげたら、翔は、なんともいえない顔をしていた。
「……智兄みたいに……なりたかった?」
「……う……ん」
「あんなエロく?」
「……………うん」
「……あんなになったら、俺、お前を抱き壊しちゃうよ?」
「……うん……え?」
翔は情けない顔で笑った。
