
キラキラ
第24章 バースト5
抱き壊すって……
ぽかんとして、翔を見上げたら、翔は、優しい手つきで、髪の毛を撫でてくれる。
その気持ちのいい刺激に、思わずうっとりと目を細めたら、翔が、くすりと笑い、静かに呟いた。
「……智兄みたくならなくたって、いいよ」
「……?」
「お前はじゅうぶん綺麗だ」
「……そんなこと……ん」
ない、といいかけた言葉は、ちゅっと唐突におとされた口づけが消した。
そっと離された唇。
翔は、優しく笑んでいた。
「どれだけ……俺がお前を好きか。分かってる?」
「…………」
黙っていると、翔は、ぐいっとその端正な顔を再び近づけてきた。
「……あのな。お前を家に帰したくないくらい。かずと出かけてほしくないくらい。…ずっと閉じ込めておきたいくらい……それくらい……」
「……」
とつとつと語る翔を見上げる俺に、翔は、一回口を引き結び……それは、もう鮮やかに、にこりと笑み。
「好きだ」
と、言い切った。
その真摯な眼差しは、何よりも翔の真っ直ぐな心をうつしだしていて……。
「…………」
俺は、一体何を心配してたんだろう、と思った。
「この先も……ずっと。お前が嫌がっても離すつもりないから」
「…………翔」
「覚悟しとけ」
「…………うん」
「余計な心配すんな」
「………うん」
ふわりと暖かいものが、俺の唇を包み込み、……心がすうっと軽くなる。
翔に好きだ、と言われるだけで、こんなにも浮上できる俺は現金なやつだな。
でも、嬉しい。
すごく……すごく嬉しいよ。
俺は、翔の広い背中にゆっくり腕をまわした。
覆い被さる翔の体が、より一層密着度をまして。
一度軽く重なった唇は、二度目には深くなった。
するっと舌をねじ込まれる。
遠慮する俺の舌を引き出し、捕まえ、絡まされて。
ペチャ……ピチャと、唾液のなる音だけが、静かな部屋に響く。
「んっ………ん……」
そして、そのまましばらく口づけは続いた。
まるで、俺が余計なことを考えたお仕置きだとでもいうように。
キスが答えだと言わんばかりに。
角度をかえながらの甘い甘い口づけは、続いた。
