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すると、倉田くんの口からため息がこぼれ

「けど…アンタの気持ちが掴めない理由がやっと分かった」

「え…」

お猪口を口に運び、くくっと笑いを浮かべると

「なるほどね。そんな事考えてたんだ」

納得できたかのように、小さく頷いている。

え…っと…？

倉田くんの態度の変化に違和感を覚えていると

「一つ聞きたいのは」

そう言って、空になったお猪口をテーブルに置き、私をジロリと睨むと

「何で別れる事前提で話を進めるんだよ」

え…？

倉田くんの問いに、瞬きを何度も繰り返した。

「だって…」

「未だにツヨシと別れたの引きずってんの？」

眉を寄せて、探るような目付きで顔を覗き込まれて、思わずカッとしてしまった。

「それは！…違う」

反射的に否定して…だけど、倉田くんの表情は変わらない。

「違う？」

「違うよ」

「だったら、何が不安？」

何が？

そんなのは…理由なんて一つしかない。

「言えよ」

それでも言い出せずにいると、倉田くんが舌打ちをした。