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sugar-holic2

第8章  疑惑が確信に変わる時

『今、どこ?』

「え?家だけど?」

そう答えたら、倉田くんからの返答がなくて。

あれ?電波悪い?

自分の携帯の画面を見ると、電波レベル3で…

そんな悪くないのに。

「…もしもし?倉田くん?」

呼び掛けると、倉田くんが

『これからそっち行きます』

「え?」

思わず聞き返すと、電話は切られた。

画面を見れば、待ち受け画面に切り替わっていて…

人の話を聞けっての!

そのまま携帯を睨み付けていると、亮くんが聞いてきた。

「彼氏さん?」

「ん…これから行くって」

「わ、マジで!?」

何だか楽しそうな雰囲気で微笑みを浮かべると

「んじゃ、俺帰ろっと」

サッと立ち上がると、使っていたマグカップを流しまで持っていった。

「え?別に急いで帰らなくても…」

亮くんは振り向いて私を見ると

「鉢合わせると厄介なことになりそうだから」

そしてニタリと意地の悪い笑みを浮かべた。

「えぇ?厄介って何よ!?」

「それは自分で考えましょう」

小首を傾げて笑うと、亮くんは帰っていった。

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