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ビタミン剤

第45章 残暑




Sside


…ショウ

……しょう

………… ……翔


俺を呼ぶ優しい響き

浮遊してた意識をあたたかな手の感触が覚醒へと向かわせてくれる。


「…まさ…き」

「翔、目が覚めた?これ、飲もっか?」

抱き抱えて身体をお越してもらって
雅紀の舌の上のちいさな白い錠剤と少量の水を
口に含んで飲ませてくれる。

飲み込んでもしばらくの間
くちびるは塞がれたまま、優しいキスの感触に
ふたたび目を瞑ってしまいそうになる。


「翔、身体大丈夫?起きれる?」

「…ん…抱っこしてくれるなら…」

腕をのばすとにっこりと目尻を下げる優しい微笑み

たまには甘えたっていいよね

やわらかな肌ざわりのお揃いのパジャマを着せてもらってた。
リビングのカーテンはすべて閉められてて
部屋はすっかりきれいに片付いてる。




「あ、洗濯物が…」

「あ、回してくれてありがとうね。
ちゃんとたたんでなおしたからね」

ソファに下ろしてくれるから、クッションに
もたれる楽な姿勢で座った。


「あのさ、翔。
まだ最後の、こんなのはじめてが有るんだけど?」

「まだ有るの?」





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